06-62637288 受付時間:平日午前9時?午後6時

受付時間:平日9:00~18:00 ※土・日を除く

  • 0662637288
single-seminar.php

コラム・講演情報
seminar

裁判員裁判を経験して

2018.03.02

 私は、昨年、裁判員裁判の弁護人を務めました。裁判員裁判についてご紹介いたします。
 裁判員裁判の対象となる事件は、殺人、強盗致死傷、傷害致死、危険運転致死、現住建造物等放火、身代金目的誘拐、保護責任者遺棄致死、覚せい剤取締法違反(財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合等)などです。つまり、犯罪の中でも、比較的罪の重いものが対象となっています。
 裁判員裁判では、通常、裁判官3人裁判員6人が、裁判で出された証拠に基づき、評議を行い、判決内容を決定します。なお、途中で裁判員の方が何らかの事情で裁判を続けられなくなった場合に備え、補充裁判員も2名選任されます。
 今回私が担当した事件は、外国籍の方が覚せい剤を密輸入し、税関で逮捕されたというものです。被告人は、外国で、他者から身体に覚せい剤を巻き付けられ、覚せい剤を日本に持ち込みました。被告人は、覚せい剤を輸入したことは認めていますが、犯罪への関与の度合いにつき争いがありました。
 今回の裁判は、5日間行い、税関職員や警察官への証人尋問や、被告人への質問などを行いました。裁判官の方からも、証人や被告人に対し、様々な質問がされました。全員の裁判員の方から質問がされ、裁判員の方も積極的に裁判に参加していただいていることがよくわかりました。また、法曹とは違った視点からの質問もあり、私自身もとても勉強になりました。
 裁判終了後、裁判員の方の感想を書いたアンケートを拝見する機会がありました。裁判員に選ばれる前は、重い罪の裁判を担うので荷が重すぎるからあまりやりたくない、仕事との両立が心配だからあまりやりたくないというような否定的な意見がありましたが、裁判終了後は、ほぼ全員が、十分な評議ができ、裁判員を「やってよかった」との感想をお持ちになっていました。
 皆様も、裁判員に選ばれた場合には、ぜひ積極的に裁判に参加していただければと思います。

弁護士  中谷 彩

前のページにもどる

PAGE TOP