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弁護士になる方法

2019.11.29

 皆様は弁護士になる方法をご存知でしょうか?いわずもがな、まずは司法試験に合格しなければいけません。そしてその後、司法修習生として裁判所・検察庁・弁護士会での様々な研修を1年間経験し、卒業試験(「二回試験」といいます)に合格して、弁護士会に登録すれば、弁護士になることができます。
 司法試験も受験資格が必要で、法科大学院という専門職大学院を卒業するか、予備試験という試験に合格することが必要です。
 法科大学院は2年間の既修者コース(すでに法学についてある程度の知識を持っている人用のコース)と3年間の未修者コース(法学について一から勉強する人用のコース)のどちらかを修了しなければなりません。法科大学院では、法律に関する基礎的な知識のほか、実務に関する基礎も学びます。例えば、法律相談や模擬裁判等を授業で行うこともあります。
 他方、予備試験とは、「法科大学院修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定する」(司法試験法5条)もので、その説明のとおり、法科大学院で学ぶべき知識・素養を持っているかを判定する試験です。そのため、予備試験に合格すれば、法科大学院を修了せずとも、司法試験の受験資格が得られます。予備試験の受験資格は特にないので、在学中でも受験をすることが可能です。一番早く司法試験が受けられる方法ですが、予備試験自体の合格率は3%台なので、かなりの難関試験になります。
 このように、司法試験を受けるには、法科大学院を2年か3年かけて修了するか、難関の予備試験を合格する方法しかありませんでした。そのため、例えば、大学の法学部を4年間で卒業した後、法科大学院の既修者コースを2年で修了する、すなわち大学入学から司法試験を受けるまでに6年かかる場合が、司法試験受験生では多いパターンでした。
 しかし、もちろん学費の負担も大きくなり、奨学金を借りる場合にはその額も多額になることが多いです。加えて、司法試験に合格した後の司法修習中には月13万5000円程の給付金が貰えますが(なお一定年度の司法修習生にはこれも一切ありませんでした)、それを補う金銭は国から貸与されるので、基本的には経済的負担は大きいといえました。
 そういった状況もふまえ、2019年6月、改正法科大学院・教育司法連携法が成立しました。これによれば、一定の成績を収めた学生が、大学を3年で早期卒業したり、法科大学院へ飛び入学ができ、法科大学院の既修者コースへ進めます。そして、一定の要件を満たせば、法科大学院の最終学年在学中に司法試験を受験することができます。すなわち、大学入学から最短5年で司法試験に合格できます。
 司法試験受験者数が減少しつつあるなか,司法試験受験生の実情をふまえられたことは朗報といえます。志の高い司法試験受験生に負けないよう,私も改めて気を引き締め直し,精進していきたいと思います。

弁護士 中谷 彩

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