現在、私は水俣病訴訟の弁護団に所属し、九州で汚染された魚介類を食べその後近畿地方等に引越しされた方々の救済を求めています。裁判では、汚染された魚介類を食べたことを証明しなければなりませんが、原告の多くは当時の魚介類の摂取状況について詳しく覚えていません。
そのため、私達は熊本へ行き、地理関係を調べ、漁業関係者や行商人、原告関係者の方から漁業、魚介類の流通や家族の食事について聴き取りを行い、当時の食事再現もしていただきました。
これらは、裁判官に具体的イメージを与え、説得力のある証拠を示すため、とても重要なことです。某刑事ドラマで、「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」という有名な言葉がありますが、弁護士の世界でも全く同じです。事件に関わらず、依頼者の方の救済・紛争解決のため、今後も、足を動かし、積極的に現場へ行きたいと思います。
弁護士 中谷 彩