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2018.08.17
2018年度上半期には,地震,そして豪雨と大きな自然災害が立て続けに西日本を襲いました。被害に遭われた方々に対し,心よりお見舞い申し上げます。
突然に家族を失い,生活の基盤を失った被災者の方々が抱えている困りごとは,その多くが法律問題です。家を流された,通帳も実印も,保険証券もなくなった,全てを管理していた妻が行方不明になってしまった・・。
過酷な状況の中で生きていかなくてはならない被災者に対し,法律家が力を尽くせる場面は限られていますが,それでも彼らの不安を少しでも和らげ,生活の再生への道筋を示すことは,我々の重要な役割であると考えています。
災害時に受けられる支援制度はいくつかありますが,まずは支援を受ける基準となる「罹災(被災)証明書」を発行してもらう必要があります。市町村に手続を行いますが,片付け前に被災状況を写真に撮っておくことが重要です。家の外をなるべく4方向から,水害の場合には浸水した深さが分かるように,併せて室内の被害状況もわかる写真を撮影しておいてください。
保険証券を紛失し,保険の加入先が不明な場合には,保険協会の専用窓口に問い合わせることによって契約内容を照会することができます。また預金についても,本人確認ができれば,ほとんどの銀行で引き出しは可能です。身分証明が持参できない場合にも,併せて銀行に相談ください。
不動産の権利証を紛失しても,権利は失われません。権利証がなくても,売買や相続などは可能ですのでご安心ください。
被災地の復興はまだまだこれからです。1日も早く皆様が安心して暮らせる日が戻ってきますように。少しでも自分にできる事を続けていきたいと思っています。
弁護士 井上 彩